本好きの元バンドマン

本を読んでいて思いがけず出会えた面白い話や雑学、有名人の伝説などを紹介しています。

ASモナコにスター選手が集まる理由

「人にいえない仕事はなぜ儲かるのか?」

著者:門倉貴史

発売:2005年

 

タイトルから裏社会系の本かと思いきや、全然違いました。

税金対策の本です。

 

野球選手や芸能人が個人会社を作る理由や、サラリーマンの副業が会社バレる仕組み。

他にも、税金を払わなくていい仕事についてや、筆者の考える理想的な税制度についてなどなど。

 

まぁまぁ古い本ですが、税金についての基本的な考え方を楽しく学べるいい本だと思います。

私は、読み終わった本のそのほとんどは処分しているのですが、これは本棚に残しておきたい一冊ですね。

 

そんな本書からもこんなこぼれ話がありました。

 

サッカー。

リーグアンの強豪、モナコ

あんな小さな国を本拠地とするチームなのに、なぜか世界中からスター選手が集ってきます。

 

そもそもモナコって、世界中のセレブが住んでるイメージもありますよね。

 

でもモナコって言ってもF1くらいしかイメージにない。

それなのになぜお金持ちが集まるのでしょう。

 

実はモナコには国営のカジノがあるそうで、それ目当てに毎年多くの観光客が訪れるそうです。

そしてそのカジノの収益と観光収入によって財政が潤沢なので、住民の所得には税金をかけていないとか。

 

そう、モナコに住民票があれば所得税がかからないのです。

だから、世界中からお金持ちが集まってくるんです。

 

本書でも書かれていますが、所得税って収入が増えれば増えるほど高くなるんですよ。

そういうのを累進課税といいます。

むかし学校で習った気がするでしょう?

 

日本の最高税率は45%です。

ざっくり言えば、1億稼いでも手取りは5500万って事。

ものすごく頑張ったのに税金でそんなに持っていかれちゃあ、そりゃなんだか馬鹿らしくなりますよね。

 

なるほど、だからお金持ちはモナコに行きたくなる。

まさかそんなカラクリがあったとは。

そしてそんなカラクリを偶然手に取った本から教えてもらえるなんて。

 

やっぱり読書って素敵ですね。


 

相撲が国技になった理由

 

「教養としてのヤクザ」

著者:溝口敦、鈴木智

発売:2019年

 

ヤクザ専門誌や、ヤクザ関連の書籍の執筆を専門とする二人による、対話形式で書かれた一冊。

ヤクザと社会の関わりについて、タピオカやお肉のような私達にも身近な話題から、野球賭博や政治家などなんだか噂の真相に迫れるような話題に最後まで興味津々で読ませていただきました。

 

そんな本書からのこぼれ話はこちら。

 

相撲が国技になった理由。

 

昔は神社の境内で博打をしていたそうで、江戸時代頃からはその余興に相撲が行われるようになったとか。

ラスベガスのカジノでボクシングが行われるみたいな感じ。

 

賭場を仕切っているのはヤクザなので、もちろん相撲もヤクザの興行扱い。

そういった歴史から、現代でも少し前までは力士の後援会がヤクザとか、地方巡業でその土地のヤクザが世話をするなど、何かと関係が深かったそうです。

 

そんな相撲。

いつしか博打やヤクザの部分がどこかにいってしまい、神社で行われていたなら神事って事だよねと。

だから国技になったと。

本書ではこのように説明されています。

 

相撲とヤクザ。

なんだか真逆な世界な気もしますが、後援会や地方巡業の話を考えると、相撲が好きな方には納得できる話なのかもしれないですね。

 

まぁ、信じるか信じないかはあなた次第って事で。

それでは今回はこのへんで失礼します。

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勉強が好きな子どもと、そうじゃない子ども


「読む本で、人生が変わる。」

著者:中谷彰宏

発売:2019年

 

筒井康隆さんの「旅のラゴス」という小説に、主人公がひたすら本を読み続けるシーンがあります。

村上春樹さんの小説では、主人公が本を読む描写がよく出てきます。

 

私は、本の中で本に関する描写が出てくると、さらに読書欲が湧いてきてとても好きです。

だからこの本のタイトルを見て、今よりもっと本が好きになれるかもしれない、と思い手に取りました。

 

大手広告代理店でCMプランナーとして活躍後、現在はビジネス書からエッセーまで数多くの作品を世に送り出している著者が考える、本を読む事の良さについて書かれた一冊。

 

文字が大きく、ページ内の文字数が少ないです。

またひとつの話が細かく区切られているので、読書経験の少ない人でもストレスなく最後まで読めると思います。

 

そんな本書からはこんなこぼれ話。

 

子どもを本好きにするには、子どもに本を買い与えるのではなく、親が自分用の本を買って自分で読む方がいいんじゃないか、とのこと。

親が本を読んでいる姿を子どもに見せることで、子どもも自ら本を読みたくなる、ということだそうです。

 

この話を読んで、以前どこかで聞いたこんな話を思い出しました。

 

医者の子どもはなぜ頭が良いのか?

弁護士の子どもはなぜ頭が良いのか?

 

医学とは、常に新しい情報がアップデートされていく世界なのではないのでしょうか。

新しい発見に関する論文や、珍しい症例についての報告書など。

きっとお医者さんは帰宅しても、日常的に本を開いたり、PCのキーボードを叩いたりしていることでしょう。

 

弁護士も同じようなものかと。

抱えている案件について、過去の判例を探したり、自宅でも机に向かっているのではないでしょうか。

 

そんな親の姿を見続けてきた子どもは、自らも本を読んだり、勉強をする事が日常的に当たり前の習慣として身に付くんだそうです。

だから自然と頭も良くなる。

 

夕食後、お菓子を食べながらテレビを見るとか、スマホをずっと触っているとか、そういう親の姿を見て育った子どもはきっと同じような行動をするようになるでしょう。

 

本を読まない親が、子どもに「本を読め」と言って何か買い与えても、そりゃそんなもの読みませんよね。

まず自ら読めと。

なるほど。

説得力があります。

 

これまで本なんて読んでこなかったけれど、子どもには本好きになってほしい。

そんな方がもしいらっしゃいましたら、まずはこれ、「読む本で、人生が変わる。」この一冊からはじめてみてはいかがでしょうか。

 

前述した通り、とても読みやすいです。

読み終えた頃には、新しい本が欲しくなっているかもしれませんよ。


 

接客レベルが高すぎる飲食店の店員

「執事の手帳・ノート術」

著者:新井直之

発売:2017年

 

プロの執事として、大富豪や世界のVIP相手に仕事をしている著者の、仕事術に関する本。

どんな仕事にも応用できそうなテクニックがたくさん書かれていて、とても勉強になりました。

 

でも、私はそもそも執事という職業が実在しているという事に驚きました。

私には縁がなさすぎて、小説や映画・ドラマの中だけの職業でした。

知らない世界を覗けるってだけでも、好奇心を強く刺激してくれた一冊でしたね。

 

そんな本作からはこんなこぼれ話。

 

飲食店にて。

わがままなお客さんを満足させられる店員の話です。

 

例えば、ふぐ料理店でお客さんがハンバーグを注文してきたとします。

当然ふぐ料理店にハンバーグはありません。

するとそれに腹を立てるお客さん。

 

さて、あなたが店員ならこの場合どうしますか?

 

昔ラーメン店でアルバイトをしていた際、ラーメンが熱いと怒られた事がありました。

その際は、新しく作り直して、うちわであおいで冷ましてから再提供しました。

 

そんな私ですから、この場合はまず謝るでしょうね、ハンバーグなくて申し訳ございません、と。

それから、今後はメニューに追加をする事を検討しますとか、そんな事を付け加えてその場をやり過ごそうとするでしょう。

 

では本書で紹介されている店員はどう対応するのでしょうか?

 

この店員はお客さんに「なぜハンバーグなのか」を伺うんだそうです。

するとお客さんがハンバーグを注文したかった理由を答えます。

例えば「子どもが食べるものがなかったから」と言われたら、「それなら、ふぐを唐揚げにしてお出ししましょうか」など、お客さんの要望にあわせた代替え案を提示する事ができる、という訳です。

 

ホスピタリティの話ですね。

この話って、飲食店だけじゃなくて、わりとどんな場面でも応用が効くような気がします。

 

問題の本質を捉える事で解決に導く、みたいな。

 

とても勉強になりました。

 

そんな新しい学びを得た私。

ラーメンが熱い問題を振り返ってみます。

 

……

 

……

 

冷麺、お作りしましょうか?


 

カツカレーの生みの親は巨人軍の選手!?

「カレーの雑学」

著者:井上岳久

発売:2007年

 

横濱カレーミュージアムのプロデューサーを務めた事があるカレー研究の第一人者、また経営コンサルタント井上岳久氏によるカレーの本。

日本国内でどのようにカレーが広まっていったかがよくわかる、カレー好きの私としてはとても興味深い一冊でした。

 

この本を読めば、カレーがもっと好きになること間違いなしです。

 

そんな最初から最後までカレーの事しか書かれていない本書からのこぼれ話は、カツカレーについてのこんな話。

 

プロ野球

巨人軍のミスターこと長嶋茂雄氏が付けた背番号3は現在では永久欠番

そんなミスターの前に同番号を付けていたのが千葉茂氏。

二塁手として攻守を支え、ベストナインにも輝いた事がある名手だそうです。

 

そんな千葉選手。

行きつけの洋食屋では、いつもカレーとトンカツを注文していたそうです。

そしてある時から、カレーの上にトンカツをのせて出すようになり、お店はそれをメニューに加えたとか。

こうしてカツカレーが誕生。

 

料理について言えば、この手の誕生の仕方ってたまに聞きますよね。

何かは思い出せませんが、なんか似たような話、あった気がします。

 

カツカレー大好きなんですよね。

どこで食べても間違いない味。

私にとって千葉選手は偉大な発明家ですよ、本当。

 


 

三浦知良伝説

「上昇思考」

著者:長友佑都

発売:2012年

 

プロサッカー選手、長友佑都

彼は日々いったいどのような事を考え、世界トップレベルの環境でサッカーと向き合っているのか?

 

セリアAのインテル在籍時に書かれた本なので、その頃の彼の頭の中が覗けて面白かったです。

 

特に当時のチームメイト、サネッティ選手からは強く影響を受けていたようで、同選手の優れた人間性がうかがえるエピソードも幾つか紹介されています。

 

そんな本書からのこぼれ話は、カズこと三浦知良選手についてのこんな話。

 

長友選手はカズさんと食事に行ったり、電話やメールでやり取りをするなど普段から交流があるそうです。

そんな際、カズさんは長友選手に常に敬語なんだとか。

 

そういえばテレビか何かでも同じような事を聞いた事があります。

香川選手じゃなかったかな……

 

もしかしたら、長友選手にだけではなく、カズさんは誰にでも敬語を使っているんじゃないでしょうか?

 

その理由、真意についてはこの本には書かれていませんでしたが、カズさんは年齢や経験など一切関係なく、一個人としてまわりの人間に敬意を持って接しているのでしょう。

そんな背景がうかがえるようなエピソードでとても印象に残りました。

 

そうかと思えば、こんな話もあります。

カズさんと、奥様のりさ子さんとの馴れ初めについて。

 

モデルだったりさ子さん。

彼女が掲載されていた雑誌か何かを見て、カズさんは一目惚れ。

この写真の女性に会いたいと強く思い、知人の伝手など様々な手段を使い連絡先を入手、アプローチしたのだとか。

 

一見イメージの違うエピソードのように思えますが、真面目さという部分は共通しているのかもしれませんね。

 




 

島に隔離されるとサイズの大きい動物は小さくなる!?

「ゾウの時間ネズミの時間」

著者:本川達雄

発売:1992年

 

蝉の一生は7日間(正確には幼虫の期間が数年ある)と言われています。

子どもの頃の私からすれば、なんと短い命なんだろうと、蝉って可哀想な生き物だなと思っていました。

 

それから大人になって、しかし果たして蝉にとっての7日間は人間の7日間と同じなのだろうか、このように考えるようになりました。

時間の感じ方が違えば、あるいは蝉の7日間は人間にとっての80年に値するかもしれない。

蝉は決して可哀想な生き物ではないのかもしれないと。

 

この本のタイトルを見た時、私のそんな疑問に答えてくれるかもしれないと、興奮したのを覚えています。

 

実際、本の中身もそういった疑問に答えてくれるようなもので、概ね満足でした。

生物学の専門家が書かれた本ですが、生物学に明るくない私のような一般人でもすらすら読む事ができました。

 

そんな本作にも面白かったこぼれ話があります。

 

動物は島という隔離された空間に住んでいると、大きいものは小さくなり、小さいものは大きくなるそうです。

これを古生物学では「島の法則」と呼んでいるとか。

 

例えばゾウを島に隔離するとどうなるか。

高さが1メートルくらいで、仔牛ほどにしか大きくならないとか。

 

そしてネズミ。

しかしこの場合は逆に大きくなる。

 

これは捕食者、つまり敵が少ない環境が影響するからだそうです。

 

私達の知っているゾウは、生き残る為に大きくなるという進化を経て今の姿になりました。

ネズミも、生き残る為という意味では同じ。

しかしネズミの場合は、敵から見つからないように小さく進化する事で生き残る事ができました。

 

つまり、敵が少ない環境では生き残る為の進化の必要がないという事。

島に住む動物は、適正サイズ(その動物本来のサイズ)なんじゃないか、という話です。

 

動物って面白いなと、改めて思わされた話でした。

 

そういえば、キリンの首が長いのは、高いところに生えている草(木の葉とか)を食べる為、という話を聞いた事があります。

地面に生えている草にはライバルが多いですからね。

高いところならライバルがいないので、いつでもどこでも食べ放題です。

 

そんなキリン。

島に隔離すると、地面の草でもライバルがいないので首を長くする必要がないかもしれません。

首の短いキリン。

ちょっと想像しづらいですが、それがキリンの本来の姿なのかもしれませんね。

 

前回、希林さんの話だったので、最後はキリンの話をしてみました。

それではお後がよろしいようで。