「読む本で、人生が変わる。」
著者:中谷彰宏
発売:2019年
筒井康隆さんの「旅のラゴス」という小説に、主人公がひたすら本を読み続けるシーンがあります。
村上春樹さんの小説では、主人公が本を読む描写がよく出てきます。
私は、本の中で本に関する描写が出てくると、さらに読書欲が湧いてきてとても好きです。
だからこの本のタイトルを見て、今よりもっと本が好きになれるかもしれない、と思い手に取りました。
大手広告代理店でCMプランナーとして活躍後、現在はビジネス書からエッセーまで数多くの作品を世に送り出している著者が考える、本を読む事の良さについて書かれた一冊。
文字が大きく、ページ内の文字数が少ないです。
またひとつの話が細かく区切られているので、読書経験の少ない人でもストレスなく最後まで読めると思います。
そんな本書からはこんなこぼれ話。
子どもを本好きにするには、子どもに本を買い与えるのではなく、親が自分用の本を買って自分で読む方がいいんじゃないか、とのこと。
親が本を読んでいる姿を子どもに見せることで、子どもも自ら本を読みたくなる、ということだそうです。
この話を読んで、以前どこかで聞いたこんな話を思い出しました。
医者の子どもはなぜ頭が良いのか?
弁護士の子どもはなぜ頭が良いのか?
医学とは、常に新しい情報がアップデートされていく世界なのではないのでしょうか。
新しい発見に関する論文や、珍しい症例についての報告書など。
きっとお医者さんは帰宅しても、日常的に本を開いたり、PCのキーボードを叩いたりしていることでしょう。
弁護士も同じようなものかと。
抱えている案件について、過去の判例を探したり、自宅でも机に向かっているのではないでしょうか。
そんな親の姿を見続けてきた子どもは、自らも本を読んだり、勉強をする事が日常的に当たり前の習慣として身に付くんだそうです。
だから自然と頭も良くなる。
夕食後、お菓子を食べながらテレビを見るとか、スマホをずっと触っているとか、そういう親の姿を見て育った子どもはきっと同じような行動をするようになるでしょう。
本を読まない親が、子どもに「本を読め」と言って何か買い与えても、そりゃそんなもの読みませんよね。
まず自ら読めと。
なるほど。
説得力があります。
これまで本なんて読んでこなかったけれど、子どもには本好きになってほしい。
そんな方がもしいらっしゃいましたら、まずはこれ、「読む本で、人生が変わる。」この一冊からはじめてみてはいかがでしょうか。
前述した通り、とても読みやすいです。
読み終えた頃には、新しい本が欲しくなっているかもしれませんよ。
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