「一切なりゆき」
著者:樹木希林
発売:2018年
樹木希林さんの書き下ろしではなく、これまで様々な場所で希林さんが発した言葉の中から、テーマ別に抜粋してまとめた一冊という感じ。
希林さんが亡くなられてから発売されました。
個性派で演技派俳優というイメージが強く、そんな希林さんの頭の中をほんの少しだけ覗く事ができるとても面白い本です。
内田裕也さんのような破天荒な人と結婚してさぞ苦労も多かっただろうと思っていたのですが、本書の中ではこんなエピソードも。
「歩いても歩いても」という映画で共演したYOUさんから「なんだ、裕也さんが変だと思ってたら、希林さんの方がずっと変だった」と言われたとか。
例えば、DVが酷くてもやり返していたそうで、近所の金物屋さんからは「どうしてあなたは包丁ばかり買いに来るの?」と聞かれた事もあったとか。
でももっと驚いたのが、靴を3足しか持っていないという話。
モノを持たない、買わない生活を実践していて、服や家具は貰ったものばかり。
確かに派手なイメージはありませんでしたが、それは作品の中での希林さんから作られたイメージ。
仮にも芸能界の大御所。
華やかな世界に身を置いている方ですし、金銭的にもかなり余裕があったはずです。
これは一度使いはじめたモノは最後まで使い切りたいという考えだそうです。
この話は序盤に出てくるのですが、この本を読み終えた頃には希林さんらしい話だなと思えるようになっていました。
ちなみに3足の靴のうち1足は長靴。
それも40年くらい前に買った業務用の長靴だとか。
以前どこかで、スティーブ・ジョブス氏は同じ服しか持っていないと聞いた事がありました。
同じタートルネックのセーターに、同じジーンズと同じニューバランスのスニーカー。
今日は何を着ようか、その迷っている時間が無駄だと考えているからとか。
その考えに私は影響を受けています。
スティーブ・ジョブス氏ほど徹底していませんが、例えば白と黒とグレーの服しか買わないとか、わざとバリエーションを少なくしています。
そういえば、靴も似たようなものです。
ここ最近は、2足のスニーカーしか履いていない。
夏はそこにビーチサンダルが加わるだけ。
あらら。
私も3足で十分でした。
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