「シー・シェパードの正体」
著者:佐々木正明
発売:2010年
日本の調査捕鯨活動を妨害する団体としてニュースで見聞きした事がある方も多いはず。
捕鯨は違法ではない。
違法でないものを妨害する同団体は悪だ、本書はそういった目線で書かれているように感じました。
鯨やアザラシなど海洋生物の保護活動を行っているのですが、確かにそのやり方はとても過激。
船を爆破させた事もあるそうで、メンバー内には逮捕者も多数。
エコテロリストと呼ばれる事もあるそうです。
動物愛護の精神からヴィーガンを実践している人たち。
少なからずその気持ちを理解できる私としては、同団体の活動を完全に悪い事だとはどうしても思えない部分もありまして……
要は、シー・シェパードという団体をネガティブに解説した本と理解していただければ、著者の意向ともだいたい合っていると思います。
つまり、ポジティブに解説すれば見え方はかなり変わってくる団体、活動内容だと私は思っただけです。
念のため言っておきますが、同団体の活動内容について、私は決して擁護派ではないです。
ただ、著者の目線が偏り過ぎていると感じただけです。
本書だけでは、同団体の本質を理解することは難しい、そういう事です。
そんな本書からのこぼれ話、これは本当にびっくりしました。
タイトルにもありますが、あなたはイルカを食べる国がある事をご存知でしたか?
それは、ここ、日本なんです。
昔の話ではないです。
その方法は追い込み漁と呼ばれるもの。
湾内でイルカの群れを一箇所に追い込み、そこで刃物を使って仕留めます。
その際、海は真っ赤に染まるそうです。
シー・シェパードは、以前この漁を行っていた長崎県の壱岐島で妨害活動等を行い、結果的に漁をやめさせています。
2010年にアカデミー賞を受賞した「ザ・コーヴ」というドキュメント映画は、太地町のイルカ漁を扱ったものでした。
そんな作品があることすら私は知りませんでした。
イルカは人間と仲の良い動物だと思います。
そのイルカを食べる文化が日本にあったなんて……
ちなみに、世界から見るとタコを食べるのも驚かれるそうです。
日本ではとてもメジャーな食べ物ですが、世界では悪魔の食べ物とか、タコを食べるなんて日本人はグロテスクだなーとか思われているそうですよ。
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